海外FX業者特有の「ゼロカットシステム」とは

FX用語

ここでは、海外FX特有のゼロカットシステムについて解説します。その前に基本的な用語の意味を確認しながら進めていきましょう。

  • 証拠金
  • レバレッジ
  • 証拠金維持率
  • 追証、マージンコール
  • 追加証拠金制度
  • 決済、ロスカット
  • ロスカット水準
  • ゼロカットシステム

証拠金

証拠金とはFX取引を始める際に担保としてFX業者に預け入れるお金のことです。取引する量に応じて証拠金の額が変動します。しかし、この証拠金は「担保」というだけではなく、個人投資家にとってもメリットがあります。それは、手元の資金を効率的に使って取引ができることです。

レバレッジ

レバレッジとは預け入れた証拠金の何倍までの取引ができるかを表した数値です。レバレッジが100倍の場合。証拠金を1万円預け入れた場合、100倍の100万円の取引ができることになります。

証拠金維持率

FX取引は、特定の通貨を売買して保有期間に発生する売買差益による利益を追求していきます。思惑通りに買った通貨が値上がりしていけば、それに伴って含み益も増えていきます。含み益とは、その段階で決済をした場合の見込み利益のことを言います。一方、思惑とは違った方向に価格が進んでいった場合は、含み損が発生していきます。FX取引では含み損の金額が預けてある証拠金の金額の一定割合を超えないようにするというルールがあります。その割合のことを証拠金維持率といいます。

証拠金維持率の計算式
  証拠金維持率 = 時価評価総額 ÷ 必要証拠金 × 100
=(純資産額-注文証拠金)÷ポジション必要証拠金×100

 

証拠金10万円、レバレッジ25倍での取引の場合
10万円 × 25倍 = 250万円

250万円の通貨を買うことができます。証拠金維持率が50%の場合、
10万円 × 50% = 5万円

なので、含み損が5万円出た段階で証拠金維持率を割ってしまうことになります。
なので、250万円 – 5万円 = 245万円

証拠金維持率=(250-245)÷10×100=50%

追証・マージンコール

追証(おいしょう)はマージンコールとも呼ばれます。含み損が増えて、預入証拠金が証拠金維持率を割ってしまった場合に、そのポジションを維持していくために、証拠金を維持率を割り込まない水準まで追加で入金する証拠金のことです。入金期日か決められているので間に合うように入金する必要があります。これらの一連の決まりのことを追加証拠金制度と呼びます。

強制決済・ロスカット

取引において強制決済がおこなわれるのは追証の支払いがなされない場合や、さらに証拠金維持率を割り込んだ場合に、FX会社の判断で投資家のポジションを強制的に決済します。しかし、これはさらなる投資家の損失の拡大を防ぐために行われるものです。

ロスカット水準

強制決済が行われる証拠金割合の水準。

以上を纏めると次のようになります。

 

ゼロカットシステム

今まで説明したように、含み損が発生し証拠金維持率がロスカット水準に達した段階で強制的にロスカットとなります。これは国内、海外に限らず全てのFX業者に導入されているシステムといえます。

しかし、現実にはロスカットシステムがうまく機能しないことがあるのです。相場は重要な経済政策の発表や、大災害などが引き金となって急激に変動する場合があります。そうなるとトレーダーの損失を一定の範囲で抑えるはずのロスカットの注文が間に合わないばかりか、酷いときには注文自体が成立しない状況が発生してしまいます。いざ注文が成立したときには、口座残高が大きくマイナスになってしまうのです。口そのマイナス分は追証としてFX業者に支払わなければなりません。一瞬にして口座の金額が無くなってしまうばかりか、それに加えて借金まで抱えてしまうのです。これが、国内FX業者を利用する最大のリスクです。

海外FXは、万が一ロスカットが機能せずに口座残高がマイナスになった時でも、その損失分を海外FX業者が負担して口座残高をゼロにしてくれるシステムです。これは海外FXだけに導入されている独自のシステムで、日本国内のFX業者で行っているところは1社もありません。その理由は、国内FX業者は金融庁の規制で、ゼロカットが禁止されているからです。これは法律によって決まっており、ゼロカットシステムが損失補てんにあたるという解釈だからです。

海外FX業者は、最初に設定されている売買時の一定の差額つまりスプレッドによってのみ利潤を出す考えなので、トレーダーに負債を負わせて二度と取引ができなくなるよりも、長く取引に参加してもらった方が良いと考えているからです。ここでも、海外FX業者と投資家は利害が一致しているという考えが貫かれているのです。

いかがでしょうか。もう、お気付きの方がいらっしゃると思いますが、海外FXは少ない資金でも高レバレッジで資金を効率的に使って思い切ったポジションを取ることが可能なのです。しかも今説明したゼロカットにより損失は手持ち資金に限定、利益は無限大という有利な状況で運用できるのです。
国内FXと海外FXの違いをご理解頂けたでしょうか。

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